活動趣旨

伸線加工を取り巻く技術全般(材料、加工プロセス、潤滑、伸線機械)を対象として、研究集会の定期開催(年2回)のほか、特定テーマ研究班活動、伸線加工関連の塑性加工懇談会・講習会等の企画・開催を行っています。

年2回の研究集会では、伸線に関する技術開発の講演のほか、最新の国内外文献調査および外国文献の抄訳、国内外の展示会などの報告等、7~10件の講演があり、毎回100名前後の多数の方が参加しています。

2019年には、第236回塑性加工技術セミナー「伸線(引抜き)加工の基礎技術」を開催し、約140名の参加者があり、基礎・開発・実用事例について盛んな検討が行われました。

すそ野の広い伸線加工技術に携わる方々に、幅広く技術・情報の交換の場を提供することを目指しております。

お知らせ

●直近の活動
 第88回 伸線技術分科会 研究集会
日時:令和 4年7月22日(金)
場所:Web開催

入会のご案内

●分科会委員資格
企業委員(企業の方):所属会社が日本塑性加工学会の賛助会員
個人委員(大学・公設機関の方):日本塑性加工学会の正会員
であり、伸線に関する学識経験を有し、分科会活動にご協力いただける方。

●分科会会費
企業委員・個人委員共に、当分科会としての入会金ならびに年会費はなし。

●会員特典
研究集会への参加

企業委員:
参加費3,000円(資料代を含みます)。
企業委員の所属する会社の方は、委員でなくてもどなたでも参加できます。

個人委員:
参加費3,000円(資料代含みます)。
学生は参加費無料です。

●入会申込の問い合わせについて
伸線技術分科会入会をご希望の方は、下記の連絡先(分科会事務局)に御連絡下さい。

連絡先

〒100-8071  東京都千代田区丸の内二丁目6番1号               日本製鉄株式会社                               棒線事業部                                  棒線技術部 棒線商品技術室 線材商品技術課
小山隆治 (分科会主査直属幹事)
電話 :090-2506-4129   FAX:03-6867-3581
E-Mail:koyama.78m.ryuji@jp.nipponsteel.com

活動報告

(開催済み)第87回伸線技術分科会 研究集会
日時:2019 年11 月22 日 (金) 10:30~16:40
場所: 株式会社神戸製鋼所 神戸本社 兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通2-2-4

●プログラム

 (1) 【基礎講座】: 「鋼へのスケール生成機構およびスケールの化学量論と機械的性質の関係」
 鋼へのスケール生成は鉄損になり,また生成したスケールは表面品質の低下を招くため適切にデスケールする必要がある。ここではスケールの生成機構を解説し,主生成物であるウスタイトの化学量論に対する加熱雰囲気の影響と化学量論と機械的性質の関係について報告する。
室蘭工業大学

○佐伯 功 殿

 (2) スケール/鋼界面での凹凸生成に及ぼすスケール構造の影響

高温で鋼材表面に生成するスケールは鉄鋼製品の表面疵の原因となる場合がある。スケール/界面に深い凹凸が形成されると線状の表面疵が発生する。これまでにNi やSi 等の合金元素が界面凹凸の生成に関与していることが報告されている。今回、燃焼加熱により鋼材を酸化させる場合に、スケール構造の違いに起因してスケール/鋼界面に深い凹凸が形成される場合があることを知見し、そのメカニズムと対策について検討する。

日本製鉄(株)

○近藤 泰光 殿

 (3) 【招待講演】最近の熱処理:窒素を活用した高機能熱処理とその特性

近年,炭素とは異なる窒素の鋼への影響が明らかにされつつあり,窒素を利用した鋼の熱処理の研究開発が活発化している。本講演では,酸化を伴う新しい塩浴軟窒化法,窒化ポテンシャルを制御し窒化組織を最適化するガス窒化とその後焼入れする浸窒焼入れ,そして減圧浸炭窒化や窒素イオン注入によって得られる組織と特徴ある機能のいくつかを紹介する。

日本パーカライジング(株)

○渡邊 陽一殿

 (4) スケール密着性の評価と応力発生挙動の測定

鋼材の熱間製造プロセスにおいて、スケール剥離などの表面品質不良を抑制するためには、スケールの密着性を把握することが重要である。スケールには冷却に伴い蓄積する残留応力や鋼材の変形による応力が発生し、密着性に影響すると考えられる。そこで、引張試験を用いて応力負荷環境でのスケール密着性を定量評価した結果と、in situ XRD により残留応力発生挙動を測定した結果を報告する。

(株)神戸製鋼所

○山田 遥平 殿

佐々木 康二 殿

 (5) バーインコイル(BIC)脱スケール性向上

引き抜き工程での脱スケール性向上を目的として、バーインコイルの製造条件と、スケール生成挙動、圧延後のミクロ組織などとの関係を調査した。棒線圧延前素材のピーリング(表層全長切削)適用や製品圧延後水冷による低温巻取り化の脱スケール性への効果などについて報告する。

JFEスチール(株)

○阿相 秀明 殿

岩本 隆  殿

山上 大作  殿

 (6) 潤滑剤特性の伸線品質に及ぼす影響

伸線潤滑剤の特性(石鹸量、軟化温度他)が伸線品質(外観、表面性状他)へ及ぼす基本的な挙動を調査/評価し、それらを応用した製品用途に応じた伸線表面性状を得るための伸線条件/手法(潤滑剤、ダイス他)について報告する。

JFE テクノワイヤ(株)

○竹縄 直幸 殿

丸山 俊明  殿

  (7)  文献紹介(2019年度上半期:伸線、引抜管に関して):

伸線技術(引抜管を含む)について,2019年度上半期(2019年1月~6月)に発表された論文報告に関して情報委員の尽力により収集された情報を集約し,幾つかの抄訳の紹介とともに示す.この分野の研究動向の現状と将来について述べる.

情報委員長 関西大学

○齋藤 賢一 殿

メンバー

●会員構成(平成30年10月1日現在)
引抜きを取り巻く各分野からの多彩な委員構成となっています。

企業委員:83人(鋼線:34、鉄鋼:8、機械:11、潤滑:10、棒鋼加工他:10、     非鉄:6、管:4)
大学関係:16人

●運営体制(令和4年 4月1日現在) ※敬称略

主査 根石 豊 日本製鉄(株)
主査直属幹事 小山 隆治 日本製鉄(株)
幹事 岡田  進 JFEテクノワイヤ(株)
幹事 齋藤 賢一 関西大学
運営委員 本間 正敏 ADEKAケミカルサプライ(株)
運営委員 前田 和樹 共栄社化学(株)
運営委員 新堂 陽介 (株)神戸製鋼所
運営委員 中島 孝一 JFEスチール(株)
運営委員 高尾 大 神鋼鋼線工業(株)
運営委員 中野 元裕 神鋼鋼線工業(株)
運営委員 梶野 智史 産業技術総合研究所
運営委員 権藤 詩織 産業技術総合研究所
運営委員 泉田 寛 住友電気工業(株)
運営委員 川名 章文 日鉄SGワイヤ㈱
運営委員 松井 直樹 日本製鉄㈱
運営委員 小森  和武 大同大学
運営委員 久保木 孝 電気通信大学
運営委員 吉田 一也 東海大学
運営委員 窪田 紘明 東海大学
運営委員 石本 和弘 東京製綱㈱
運営委員 小太刀 修 古河電気工業(株)
運営委員 浅川 基男 早稲田大学